制服みたいな価値観を
今日も仕方なく着せられて
「似合わない」って言えなかった
心の隅で何かが千切れた
通学路の白線を踏み外したとき
誰かの視線が胸に刺さる
正解ばかり探していたら
気づけば私が消えていた
匿名でしか叫べなかった
本当の声を殺していた
笑うたびに壊れていく
そんな自分を見ていた
名前を出せば壊される
仮面の下でまだ生きてる
逃げじゃない確かなこと
届かなくても声にしたかった
夜を越えても夜のままで
言葉に縛られ息をついた
それでも悲しみの中
私はまだ叫んでた
道徳はナイフになって
優しさは鈍器みたいに痛かった
混ざれなかったそれだけで
罪人みたいに扱われた
笑顔は義務で沈黙は罪
言葉はいつも誰かを削る
「大丈夫」って言った私は
誰を守って誰を捨てたんだろう
もう無理だって心が叫んでた
「助けて」って言えなかった
痛みだけが居場所みたいで
それでも生きていた
紙に書いた本音を燃やして
煙の中で私を見た
忘れられるのが怖くて
覚えられるのも怖かった
匿名で 匿名で 匿名で いさせてくれ
誰にもなれなくても
この声が震えるうちは
確かにここにいた
青の信号が滲んで見えた
進むたび足が震えてた
それでも一歩出せたなら
それだけで今日を生きられる気がした
見上げた空はまだ曖昧で
神様はきっと寝坊している
それでも明日を嫌いになれなかった