Mushi To Furawaa

Orikasa Fumiko

ORENJIのGAABERAはもうない
さよならもいわずにちってからいっかげつ

むしはきょうも
むかしのことだけおもいだしてはなみだぐみ
あめがふって
ぬれてもまだORENJIのはなのはをたべつづけ

はなになりたいと思った

まゆをつくろひとりきりのせかいにくるまれたいなあ
むしはあるあさひらめきましたそしてつぶいだつないだ
もうおもいでもよろこびもいらない
もうしんじるきもちなんていらないいらない
まゆをつくろうひとりきりのせかいにくるまれていたいなあ

ふゆがきてはるのめがふいて
ORENJIのひかりがさしこんだなつのひ

むしはきょうもねむりつづけた
なにもおもいださずかんがえず
さむいとかあたたかいとかもかんじることなく
いちねんをすごしていた
ひとりきりで

まゆがやぶれたあるつよいひざしのあさとつぜんに
むしにふりそそいだORENJIのひかりのこうずいとまどい
もうそとにでるときがきたとしった
もうくるまれていることはできないできない
むしはゆっくりそとにでてかおをあげると
ORENJIのはな

"ORENJIのはな!GAABERAのはな!\"
さけんだただおおきなこえで
うれしいねつでからだがうかび
そのままただはねをひろげた
むしはとんでいたはなよりたかく
GAABERAとむしのものがたり


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