透明な空をふりあおいで
名もなき花ひとつ
雪解けを待つように
風は暖かい日差しに
優しさを映して
春色をにじませ
そっとまどろみから覚める
心地よい調べに
身を任せるがまま
木々から大地へと伝う愛しつく
七色空を染める虹へと
咲き誇る季節に言の葉を残して
再び命めぐる時まで
雲は流れ移ろい雪
あの二つの風景も
いつしか色褪せて
恋焦がれた空いい砂をれ
解き放てよ夢の続きを
刹那の宴輝ける時を知り
永遠へと向かう螺旋織なす
舞い散る白き花びらちに還りて
再び命芽吹く時まで
透明な空をふりあおいで
名もなき花ひとつ
夕凪に揺れていく