Spring Moment

Hiroshi Kamiya

こうさてんでひとりあげかけたみぎてを
ポケットにしまってかぜとならんだ

きせつがいたずらにかきまわすきおくは
きのうのことみたくまたあざやかに
こっちのことはおかまいなしで

きみがよぶこえが、あいが、やさしいめが
いまでもふいにせめる
かんしょうてきなぼくをまたわらっているのかな
あの日さいごにくれたえがおが
はるかぜとやってきた

しんこきゅうするようにあるいてたじかんは
きっとほわばだってちがってたはずで

いつもひだりがわをむいしきにかぶって
そんなしゅうかんさえねえいつのまに
ひざしのなかにとけていったんだ

きみのいたひびも、うそも、せつなさも
やわらかなぬくもりで
そこにあるともうすこししんじてもいいだろう
げんきでいてとかぜのゆくえに
めをほそめねがってる

きみがよぶこえが、あいが、やさしいめが
いまでもふいにせめる
かんしょうてきなぼくをまたわらっているのかな
あんなうそも、せつなさも、なつかしさにかわって
いつかそれもわすれてくぼくたちでいいよね
あの日ふたりのなみだにふいた
はるかぜをみおくるよ


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