Tooku e

Fujita Maiko

でんしゃはおおきなはしをこえて
けしきはすこしずつ
おちついたまちをうつしだす

くつをぬぎすててそとをみてる
むかいがわのちいさなこが
うらやましくなった

にげるように
わすれるように
このでんしゃに
のったのかもしれない

わたしのなやみなんて
ちっぽけだって
おもいたくてね
どこまでもつづくそらを
わたしはさがしにいくんだ

きのうにぎりしめたでんわは
しんぱいさせたくないから
はやくきりたくなった

きゅうくつなトンネルにも
やがてでぐちが
あるのはわかってる

わたしのくらやみにも
でぐちはある
おもいたいんだ
トンネルをぬけるたびに
まぶしいひかりをみつめた

みずのねかぜのね
ゆれるきぎ
こもれびさすみちぬけて
みつけたつきぬけるそら

わたしのなやみなんて
ちっぽけだって
おもいたくてね
どこまでもつづくそらを
わたしはさがしにきたんだ

おもいきりないたって
すぐあしたが
かわるわけじゃない
それでもこのまいにちを
わたしはあるいていくんだ


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