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Yokune Ruko (欲音ルコ / よくねるこ)

君の待つ丘へ向かった毎日
花咲く春
日傘を差し歩いた夏
登り坂の先の君の笑顔で
どんなに足が痛んでも
上を向いていられた

涼しい木陰の下語るひととき
何気ない当たり前がそこにはあった
見える景色は皆同じ鮮やかさで
ちくりと私の胸に縫い止められた

生きてゆく中で
あれほど単純で愛しいものが

もう戻らないのなら
この手でいっそ燃やしてしまおう
きっと
きっと
抱きしめるよりは痛くない

金木犀の香り誘う秋
小さな光が照らした冬の夜
なぜもっと焼き付けておかなかったのだろう
変わりはしないと拒んでいた

糸巣のように
きつく止められてた糸が
あの日から一本ずつ
ほどけては抜け落ちる

もう戻れないのなら
この手でいっそ破いてしまおう
縫い直す心が裂けてしまわない内に

もう戻れないのなら
この手でいっそ消してしまおう
君の笑顔 声 涙
抱きしめるよりは痛くない

抱きしめるよりは痛くない

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