Shousetsu Natsu to Batsu (Ge)

VOCALOID

うだるような夏が身体を侵食してゆく
君をさらった季節が舞い戻ってくる
空はいろこく
置き去りにされた僕だけが
この世界で風に揺れてそこにあった

君の飲み残しのような人生を
背負って生き続ける僕の身にもなれ
君があきらめてしまった世界で
一文にもならない懺悔を続けている

僕が手を離したあの一瞬を君は
僕に一生後悔させる気なんだね
思い出など何の意味もなさない
君の呪いのような笑顔の前では

神も仏も救いはもたらさず
永遠に裁かれない僕はまぶたすら閉じられぬ
何も感じない心であるのに
焼け付くような痛みだけ残るのはなぜ

僕に慰めの機会など与えず君は
ただ夏を罰として刻んでいった
祭りの甘いリンゴのような頬に手は届かぬ
この先一度として
それが冬であったならば
凍った声にあきらめもつくだろうか

僕が手を離したあの一瞬を君は
僕に一生後悔させる気だとしても
それが本望であると受け入れてしまえば
君は二度と僕のもとへ帰ってこない
君が好きだと僕が喉裂けるほど泣いても


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