坂道をのぼったら
大きな大きな虹が見えたよ
さあおうちへ帰ろう
パパとママの待つ小さなおうちへ
僕の住む町
小さな路地を抜けて
毎日通う学校への近道
駄菓子屋のおばあちゃん
近所の大きな犬
呼び鈴鳴らし誘う友達
坂道をのぼったら
大きな大きな夕日が見えたよ
さあおうちへ帰ろう
茜色の屋根の小さなおうちへ
桜のつぼみが開き始める頃
僕は一人鞄持って家を出たんだ
しっかりやれよ」と見送ってくれた
父さんと母さんのあたたかい声
都会の片隅で
忙しい毎日を
充実したと思い込み
時日は流れていく
あの家はもうなくて
父と母も送ったけれど
夢の中で帰るのは
みんなの声がする
あの家
あの坂道をのぼったら
大きな大きな虹が見えたよ
さあおうちへ帰ろう
家族の待つ小さなおうちへ